2021/9/1追加
Fedora 34Betaはすでに完成版のFedora 34になっているという指摘をいただきました。 現時点では、Gnome 40のウェブサイトでも「Beta」は消されています。 記事の中の「Beta」は古い情報であることにご注意ください。 また、GNOME40の新しいバージョンGNOME41が近くリリースされるようです。 (以上 2021/9/1追加)
Ubuntuを21.04にアップデートしました。 Ubuntuは今後も使っていくつもりですが、残念ながらgtk4の対応は秋以降になるらしいです。 GNOME 40 のウェブページによると、現時点ですでにgtk4を組み込んでいるのは、
- GNOME OS
- Fedora 34Beta
- OpenSUSE
の3つです。 使ってみたいけれど、Ubuntuを潰してインストールするのは、データの引っ越しが大掛かりになって嫌だな、と思って二の足を踏んでいました。
ところが、別の手があったのです。 gnome-boxesという、バーチャル・マシンをサポートするソフトです。 このソフトは、
- LinuxのKVMという仮想化システム
- qemuというエミュレータ
- libvirtというデーモン
を組み合わせたものです。 これを使って、Ubuntuの仮想マシン上でFedoraをインストールしてみました。
gnome-boxesのインストール
これは簡単で、例えば、「ソフトウェア」という名前のパッケージ管理ツールで「開発ツール」というカテゴリーを開くと、そこに「GNOME Boxes」という名前で登録されています。 それをクリックしてインストールすればOKです。
あるいは、apt-getを使ってもインストールできます。
Fedoraのインストール
GNOME 40 のページの一番下にFedoraの大きめのボタンがあるので、クリックするとダウンロードできます。 この他に、「GNOME OS NIGHTLY」と「OpenSUSE」がありますが、自分の場合はFedora以外は上手くいきませんでした。
ダウンロードされるデータはiso形式です。 つまり、インストール用のDVDの形です。 ダウンロードが完了したら、インストールです。
- gnome-boxesを立ち上げる。
- 左上の「+」のボタンを押すと、ダイアログが現れます。 一番下の「オペレーティングシステムのイメージファイル」をクリック。 ファイル選択ダイアログが現れるので、ダウンロードしたisoファイルを選択します。
- すると、Fedoraが立ち上がります。 このFedoraは、通常インストールでいえば、DVDドライブから立ち上がるインストール作業用のFedoraです。
- ライブで使用するか、インストールするかの大きなボタンが現れるので、インストールを選択。 以下、画面に従ってインストールをします。
- インストールが終了したら、タイトルバーの右をクリック。 「電源オフ」を選択して終了します。
- gnome-boxesの初期画面に戻りますが、左上にFedoraの大きめのボタンが現れます。 それをクリックするとインストールされたFedoraが立ち上がり、セットアップ画面になります。 セットアップを完了すると使用可能になります。
gtk4の開発用ファイルのインストール
gtk4の実行ライブラリは初期状態で入っているのですが、開発用のパッケージがまだ入っていません。 それで、
$ sudo dnf install gtk4-devel.x86_64
とタイプするとパッケージがインストールできます。
Ununtu 20.04では、このとき一部のレポジトリが読めずにエラーになってしまいました。 Ubuntu 21.04にアップグレードした後にはエラーが出ませんでした。 これが、Ubuntuのバージョンによるのか、Fedoraの側のトラブルなのかは分かりません。
gtk4のプログラムのコンパイル
テストをしてみようということで、Gtk4 tutorialのテキストエディタをコンパイルしてみました。
- Gtk4 Tutorialをダウンロードします。 コードの右上の緑色のアイコンをクリックしてZIPのダウンロードを選択します。
- ダウンロードしたZIPを解凍します。
- そのディレクトリの
src/tfe7
に端末のカレントディレクトリを移動します。 端末から次のようにタイプします。
$ meson _build $ ninja -C _build $ ninja -C _build install
meson起動時には、まだmesonパッケージがインストールされてないので、パッケージのインストールをするかどうか尋ねられます。 インストールを選択すると、自動的にパッケージインストール後にmesonが実行されます。
- コンパイルは上手く通り、インストールも行われました。 tfeというプログラムが。/usr/local/binの下にインストールされます。
- 端末から、tfeとタイプすると、テキストエディタが起動されました。 gtk4の開発環境としては十分でした。
GNOME 40 の使い心地
GNOME 40は今までのGNOMEのデスクトップと似ています。 使用感に大きな違いはありません。 ウェブサイトの説明を見ると、どうも動作が以前よりかなり軽快になっているようです。 ところが、仮想マシンにインストールしたため、速度を実感することはできません。 これは残念なことですが、仕方がありません。 GNOME40が動くとはいえ、Fedoraはテスト版です。 Ubuntuをやめて、そちらに移行するわけにはいきません。
ただ、gtk4のプログラミングは格段に良い環境になっています。 gtk4のコンパイル環境だけでなく、できあがったアプリケーションをデスクトップに登録することも容易です。
さて、ホストOSのUbuntuとゲストOSのFedoraの間でコピペはできません。 異なるデスクトップセッションなのだから出来ないのが当然なのですが、あたかも同じデスクトップで動いているように見えるので、ついコピペしたくなります。 では、データのコピペがしたいときはどうしたら良いのでしょうか? 考えてみたのですが、データの共有にはGoogle Documentが良いことに気が付きました。
そのために、FireFoxを2つ動かします。 UbuntuのFirefoxとFedoraのFirefoxです。 片方でGoogle Documentに書くと、もう片方で読むことができます。 まさに、データの共有です。 当然ながらこの2つはそっくりなので、自分が今どちらにいるのかが分かからなくなるときがあります。 このあたりは慣れないと頭が切り替わりませんね。
もしも、ファイル丸ごとをコピーしたいときには、Google Driveか、メールに添付する方法があります。 メールは、ファイル添付したものを自分宛てに出します。
GNOME 40の今後
GNOME 40が様々なディストリビューションに取り入れられるのは、秋ごろからでしょうか。 Ubuntuはもっと先になりそうですが。 それに、アプリケーションのほとんどがまだgtk4対応ではありません。 すべてgtk4対応になるには、おそらく年内いっぱいはかかるとは思います。 早く完全にgtk4に移行したシステムにお目にかかりたいものです。