NHKの「笑わない数学」(水曜23時〜)を見ている。 今まで3回放送されていて、「素数」「無限」「四色問題」がテーマだった。 全12回シリーズだそうだ。
自分は大学で数学を専攻した。 その経験にもとづくと、数学には2つある。 抽象数学と応用数学。
多くの人が「数学はいろんなところで使われている」「数学はビジネスで大活躍」というとき、それは応用数学であることが多い。 一方、抽象数学はごく一部の専門家のみが研究している、完全に閉じられた世界の学問だ。
数学者の会話(注:易しい方)
私が大学で数学を勉強していたときは、こちらの「現実世界」とあちらの「数学の世界」を行き来していたような感覚がした。 いわば「バーチャル」と「リアル」を行き来するようなものだ。 数学者の生きている世界というのは隔離された純粋な世界なのだ。
その抽象数学を庶民の世界に引きずり出そうというのが「笑わない数学」だから、凄い挑戦だと思う。
MCがお笑いの尾形貴弘だというのが身近な感じで良い。 何しろテーマが「数学の難問」で普通の人には全く馴染みが無いから、MCだけでも視聴者サイドであることはありがたい。
私は大学卒業後は研究の道には進まず、数学の研究からは遠ざかってしまったので、この番組を見ると懐かしさがこみ上げてくる。 もう研究は無理だが、自分のできる範囲で「数学の世界」を散歩するのも良いかも・・・と思った。