アンコール・ワットの入口
アンコールは「都」、ワットは「寺院」という意味だそうです。アンコール・ワットは、西向きに建てられています。他の寺院は普通東向きになっています。というのは、西は死者の向きだからなのだそうです。しかし、アンコール・ワットは西方浄土を向いて建てられたので西向きになりました。この西向きということが、アンコール・ワットの観光を午後に設定する理由になっていいます。というのは、正面から写真を撮るときに逆光にならないからです。アンコール・ワットは周りを堀に囲まれていて、寺院に入るには堀を渡る道を通っていきます。俗世界と神聖な世界がこの堀で隔てられて、別の世界になっているようです。
看板の右上に「SOPHIA MISSION, Tokyo」とありますが、SOPHIAは上智大学のことです。遺跡の修復には、日本以外にフランスが支援していますが、日本とフランスでは修復の仕方が違うということです。フランスはセメントを用いていますが、日本は、砂岩と漆喰を使っているのだそうです。なぜ砂岩と漆喰を使うかというと、時間が立つと修復部分と昔の部分が同じように見え、修復跡が目立たなくなるからだそうです。セメントの修復の場合はいつまで経っても修復の跡が残ります。
次の写真は堀を渡る道の両側にある手すりで、それぞれ修復が施されています。最初がフランスによる修復。2枚目が日本による修復です。まだ修復から時間が経っていないので、日本の修復は色の違いが目立ちますが、将来は修復跡が消えていくはずです。