ラブ・レター
浅田次郎の「鉄道員」を借りてきた。短編集である。読みたかったのは2番目の「ラブ・レター」だった。これは映画化されているが、日本で製作された映画の他に韓国で製作された映画がある。私は両方観たが、韓国の「ラブ・レター」の方が好きだ。主演はチェ・ミンスクという中年の男性俳優だが、この人は上手い。相手の女性はセシリア・チャンという香港の女優である。この人は「星願」で香港電影金像奨最優秀新人賞を受賞しているが、2つの映画での印象は正反対だ(これが役者というものなのだろう)。「ラブ・レター」のセシリア・チャンは一瞬美しく咲いて散ってしまう花のように儚く美しかった。詳しく書くとネタバレになってしまうので止めておくが、彼女が不幸な人生にも関わらず、健気に生きて、そして死んでゆくのが本当に悲しかった。原作を読んでみると、ストーリーは同じだが、映画の方は独自に内容を掘り下げているのが判り、興味深い。もしも興味を持って、本や映画を見た方は、ぜひ感想をコメントしてください。