おもこん

おもこんは「思いつくままにコンピュターの話し」の省略形です

The Long Good-bye


10月15日の日記に、通信販売でレイモンド・チャンドラーの「The Long Good-bye」を手に入れたので、これから読み始める、ということを書きましたが、ようやく今日読み終わりました。なお、これは英語の原書ですが、日本語訳も2冊出ています。

 

「長いお別れ」 (清水俊二 訳) 早川書房

「ロング・グッドバイ」 (村上春樹 訳) 早川書房

 

僕は、訳本の方は読んでいません。

 

本作はレイモンド・チャンドラーの傑作のひとつで、彼の最高峰だという評もあるそうです。僕は彼の小説を初めて読んだので、他と比較することはできませんが、なかなか面白い本です。

 

主人公は私立探偵フィリップ・マーロウ。彼は偶然知りあったテリー・レノックスという人物に好意を持つようになるが、彼は妻殺しの容疑を受け、マーロウの元に逃げ込んでくる。マーロウは彼のメキシコへの逃亡を手助けするが、彼はその地で妻殺しを告白して自殺してしまう。その後マーロウの元に、死んだテリーからの手紙が届く。テリーが妻殺しの犯人であることが信じられないマーロウは、調査に乗り出すが・・・

 

ネタバレになってしまうので、これ以上書けないんです。感想も詳しく内容に立ち入っては書けないんですが、2つだけ。まず、物語は最後まで読んでください。これは後半、特に最後が面白い本です。もう一つは、ストーリーの幹の部分だけを書くなら、この本の長さは半分ですむでしょう。つまり、枝葉の部分が多い作品です。建物がどうとか、登場人物の服がどうか、振る舞いがどうかを細かく記述して、読むものがリアルに状況を想像できるように書かれています。

 

最後に原書で読んだことについての感想を書きます。この本は400ページを超える長編です。これだけ長い本を英語で読んだのは初めてで、時間もかかりましたし、分からない表現や、いちいち単語を調べていたらきりがないと割り切って飛ばし読みした部分も少なくありません。でも、話の流れを把握するのは飛ばし読みしてもできますし、この本はそれだけでも面白い本です。それに、登場人物の会話は英語ならではのキザな表現が多く、その意味でも原書で読む価値があるといえるでしょう。かなりエネルギーを使いましたけれど、それだけの得るものはあったと思いました。