まほろ駅前番外地
先日読んだ「まほろ駅前多田便利軒」の続編です。前回と同様7つのパートに分かれていて、それぞれ独立した話となっています。前回脇役だった、星、曽根田のばあちゃん、由良公、それに今までほとんで出ていなかった岡婦人の4人が、それぞれ1つずつパートの中心人物になっていています。多田と行天の話だけじゃ飽きてしまうと考えた作者の作戦ではないでしょうか。タイトルの「番外地」というのも、番外編という意味が込められているのかもしれません。
僕にとっては、第1作よりも格段に面白くて一気に読みました。(注:第1作も面白いよん(^^))。とにかく読みやすい。これが小説にとってまず大事。それに筋が意外な方向に展開して、オオッと思わされたり、心理描写や状況描写も単なる形容詞ですませるのでなく、なおかつわざとらしくなく、読者が自然に受け入れられるようになっています。というわけで、☆5つをつけましょう。ただ、最後の話だけちょっとイマイチだったかな。
さて、作者の三浦しをんさん、変わった名前だなと思ったのですが、実は本名なのだそうです。ビックリ。最近映画になった「風が強く吹いている」の原作者でもあるんですね。残念ながら映画も原作もまだだけど。この映画評判が良かったので観にいきたかったんですけれど、その頃忙しかったのと、インフルエンザにかかったために見逃しちゃったんですね。(**)
とても良かったので、彼女の他の作品も読んでみたいと思いました。