おもこん

おもこんは「思いつくままにコンピュターの話し」の省略形です

夏目漱石の「こころ」を読みました。


夏目漱石の「こころ」を読みました。これが2回目になります。最初に読んだのは大学1年生の時でした。

 

そのころ、私は好きな女の子に交際を申し込み、あっさり振られて落ち込んでいました。そのとき、たまたま「こころ」を読んだのです。切っ掛けは忘れました。この本を読んだ人なら判りますが、結末がやりきれない悲しみで満ちています。私は一層落ち込んで三月ほど立ち直るのにかかったと記憶しています。私は毎日ため息ばかりついていたのです。それほど強烈な一撃を与えた本でした。

 

ところが、今これを再び読んでみて、ほとんど筋を忘れていたことに驚かされました。あれほど強烈な印象が残った本であるのに、細部になると全く覚えていないのです。しかも今回は落ち着いたこころで最後まで読み通すことができたばかりでなく、大学のときと比べれば全然といっていいほど感動しなかったのです。

 

このことは、本が人に与える感動が絶対的なものではないということを示しているのではないでしょうか。むしろ、そのときの読者の境遇や考え方、そして年齢が重要なファクターであるように思います。

 

今回はこの本の登場人物について冷静に分析することができました。「先生」は「K」の死は自分のせいであると考えていますが、もともと「K」は人間社会から自分を切り離して、彼の理想とする生き方をしようとしていましたから、自殺の可能性を内包していたと思います。そういう意味では「先生」も同様です。人間は人との繋がりなくしては生きていくことができない。そういうことを今回は考えました。

 

もし3回目に読むことがあったら、また別の読み方ができるかもしれません。

 

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さて、今回は「青空文庫」というインターネット上の文庫で読みました。私はiphoneを使っています。iphoneには「青空文庫」を読むためのアプリがあり、とても読みやすくなっています。「青空文庫」は他の携帯でも読めるようになっています。もちろん、PCでも読めます。

 

本を持ち歩かなくてもいつでも携帯で読めるのは本当に便利です。「青空文庫」は著作権の切れた古い作品が主ですから、新しい作品はほとんどありません。それが残念なところです。

 

「青空文庫」以外に携帯で読めるようになった有料の本もあります。その場合はダウンロードした分だけ携帯の料金に上乗せして払うことになっています。私は以前この方法で「椿山課長の7日間」を読んだことがあります。

 

これからは、電子的に本を配布する方法が主になるかもしれませんね。紙資源の節約にもなりますし、合理的な方法だと思います。