おもこん

おもこんは「思いつくままにコンピュターの話し」の省略形です

扉をたたく人

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扉をたたく人(原題 The Visitor)を観ました。アメリカ映画にしては、実に地味な映画です。そして、このような社会派の映画がしっかりとアメリカ社会に受け入れられているということは、嬉しいことだと思います。この映画は4館で上映され始めましたが、徐々に人気を博し、最終的には270館で6ヶ月にわたってロングランを記録したのだそうです。日本では、恵比寿ガーデンシネマを中心に上映されていました。

ところで、その恵比寿ガーデンシネマですが、残念なことに2月から休館ということです。良質の映画を独自の基準で上映してきた同館が休館とは、本当に残念です。1月15日から28日まで、ベストセレクションと称して、特別編成で沢山の映画を上映するようです。

この映画では、妻を失くした孤独な大学教授のウォルターが主人公。彼は普段、大学のあるコネチカットに住んでいたが、ニューヨークにもアパートを持っている。学会出席のため、久しぶりにニューヨークのアパートに入ると、見知らぬカップルが住んでいてびっくり。彼らはアパート詐欺にあって、主人の長い留守の間、そこを借りていたのだ。ウォルターは彼らの身を案じ、当分ともに暮らすことを許す。彼らとの同居は孤独なウォルターの心を開いていった。ところが彼らは「不法滞在者」だった。アメリカでは9.11以後外国人に対する見方が厳しくなっている。以前は「不法滞在」であっても、性急な国外退去などはなかったが、今日では非常に厳しい。同居人のタレク(男性)は誤解から警察に捕まり、不法滞在がばれてしまう。ウォルターは彼の釈放のために奔走するが・・・

大人しい、真面目な映画です。いろいろ考えさせられる、という部分もあります。単純に人間性に感動する、という見方もできます。どちらかというと、ある程度年齢が高い方に合っているように思います。落ち着いてじっくりと映画を観たい方にお勧めの映画です。