おもこん

おもこんは「思いつくままにコンピュターの話し」の省略形です

ソフィーの世界


かなり前(たぶん1995年頃)に流行った本です。原作はノルウェーの哲学者ヨースタイン・ゴルデルによるもので、1991年に発表されました。日本語に翻訳されたのは1995年ということです。

主人公のソフィーは14歳の女の子で、見知らぬ哲学者アルベルト・クノックスから不思議な手紙をもらい、哲学の勉強にのめり込んでいきます。ただ哲学の勉強をして話が終われば何ということもないのですが、そんな単純な小説ではないのです。実は読者がびっくりするような仕掛けが、仕組まれていたのです。僕もこれにはアッと驚かされると同時に完全に頭が混乱してしまいました。

哲学の入門書としても良いと言われていますが、僕のような素人にはそれでも読むのが大変でした。自然哲学、ソクラテス、プラトン、アリストテレス、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教、ルネサンス、バロック、バークリ、カント、ヘーゲル、マルクス、ダーウィン、フロイト、サルトル、そういう西洋哲学の歴史がこの本に要約されていますが、600ページを超えますし、易しく書かれているとはいっても哲学ですから、さっさと読むというわけにはいきません。

哲学の中では僕に一番しっくりきたのは、マルクスでした。観念論哲学が物を解釈して混乱しているのに対して、マルクスの弁証法は世界を変えようとする実践的立場に立っているところがすっきりと理解しやすいと思いました。しかし、マルクス以後歴史はどんどん進み、世界はまるで変わってしまいましたから、現在の時点でどういう哲学が良いのかは、この本を読んだだけでは分かりません。

もっと深めるには数段深いところまで掘り下げて勉強する必要がありそうです。