おもこん

おもこんは「思いつくままにコンピュターの話し」の省略形です

アーティスト


「アーティスト」を観ました。今年度のアカデミー賞作品賞をはじめ5部門を制した作品です。公開以来なかなか観られず、ようやく今日になっての観賞となりました。ミシェル・アザナヴィシウス監督のフランス映画です。日本ではアメリカ映画が多く上映されていて、フランス映画は冷遇されているように思います。商業的な理由からだと思いますが。

トーキーの出現によって、サイレント映画のスターが没落し、トーキーの新しいスターが人気を博すという、対照的な2人が映画の中心人物ですが、もう一人(いや、一匹)の重要人物(犬物)がいます。主人公の愛犬ジャックです。このジャック役の役者(役犬)アギーは第1回ゴールデン・カラー賞(ハリウッド映画で素晴らしい演技を披露した犬を表彰)を受賞しています。

さて、この映画、白黒かつサイレントがほとんどです。ですから、表情、動作など視覚的な表現が相当工夫されています。元々フランス映画にはそういう要素があったと思います。ちょっとした動作や表情を使ってユーモア(フランスではエスプリですか?)あるいは人間性を表現するのはフランス映画の上手なところです。また、主人公のジョージ・ヴァレンティンをスターから没落していく惨めな姿で終わらせることなく、ペピーの愛情に救われ、ハッピーエンドにしていることも、観客が安心でき、好感をもてますね。

いつまで公開が続くのか分からないのですが、まだ見ていない人にはぜひお勧めしたいと思います。