折り紙の本 「ORIGAMI DESIGN SECRETS」
TED -- NHK スーパープレゼンテーション
NHKの番組に「スパープレゼンテーション」というのがあります。これはTEDというカナダの団体が行っているプレゼンテーション「TED CONFERENCE」の中から選び、放送しているものです。TEDでは様々な分野の専門家が出演しており、現在ではそれを無料でインターネットで見ることができます。インターネットでは日本語字幕がありませんが、
NHKはそれを付けてくれるので分かりやすくなっています。
今年2月にロバート・J・ラングさんの「折り紙と数学の魔法」がこの番組で取り上げられました。その内容は折り紙の仕組みを数学で明らかにすることができる、というものでした。これが私が折り紙に興味を持つきっかけでした。
ORIGAMI DESIGN SECRETS
ロバート・J・ラングさんはいくつか折り紙の本を書いています。その中から「ORIGAMI DESIGN SECRETS」という本(
電子書籍)を購入しました。英語版です。まだ日本語訳は出てないようです。今だいたい2/3くらい読んだところです。作品の折り方も紹介されていて、折って楽しむこともできます。手の掛かるものが多いので全部はやっていませんが、ステルス戦闘機や小鳥(
songbird)などは折ってみました。
この本で紹介されている作品は芸術性の高い作品ばかりで折りあげるのにも時間がかかります。例えば小鳥では足の爪も折り上げます。その他には魚の鱗や亀の甲羅の模様なども折ることができます。
折り紙のしくみとは
折り紙の解析で重要なのは、フラップです。フラップは三角形のペラペラした部分、例えば鶴の羽や頭、尾のような部分です。折り紙で作られた動物の手足など出っ張った部分はすべてフラップから作られるので、フラップの仕組みの研究が最も大切だということです。そして、フラップは円で表すことができ、円をどのように配置するかで折り紙の構造が決まってくるということです。今まで読んだ部分を要約してしまえばそういうことですが、内容は凄く豊富で、ここにその全部はもちろん要約でさえも書き述べることはできません。
折り紙は役に立つのか
折り紙は趣味や芸術の対象でしかないのでしょうか。実はそうではなくいろいろな事に応用されているし、今後応用される可能性を持っています。そのような例としては
ミウラ折りが有名です。これは例えば宇宙船に
太陽光パネルを積み、宇宙で広げるとします。運ぶときには畳んでおくのですが、
ミウラ折りにしておくと、その展開がしやすいのです。詳しくは
ウィキペディアなどで調べてください。
折り紙は外国にもあるのか
先日「YOUは何しに日本へ」で
アメリカの方が折り紙を習いに来日されたのが放送されていました。その方はニューヨークで鶴の折り紙を見て自分で折りたいと思ったということです。実は外国でも折り紙をやっている人はかなりいるのです。そして、折り紙は英語にもなっています。「ORIGAMI」はそのまま英語とします。実際、著者のロバート・J・ラングさんは
アメリカ人ですし、
アメリカ以外にも折り紙研究者は沢山いるということです。
日本の文化なのに
折り紙は日本の伝統文化と言って良いと思いますが、若い人の中には「鶴」の折り方を知らない人が沢山います。おそらく知っている人よりも知らない人の方が多くなっているかもしれません。昔はこどもの遊びの中に折り紙は定番として存在していて、「鶴」の折り方は誰でも知っていました。最近はゲームに押されて、こどもの遊びから締めだされてきているようです。手先を器用に使う訓練は脳にも良い刺激を与えるので、その意味でもこのような現状は残念なことです。