UBUNTUの新バージョン23.04がリリースされました。 多くの変更がありますが、今回はGTK4についてのみ書きます。
GTK4のバージョンは4.10.1になりました。 GTK4はバージョン4.10で新たに導入されたクラスと、逆にdeprecatedになったクラスがかなりあります。 deprecatedは古くなったので使わないことを推奨するものです。 完全に使えなくなったというより、将来使えなくなる予定なので、できるだけ使わないようにしましょう、という感じです。
例えば今まで多くのプログラマーが使っていたと思われるGtkDialogがdeprecatedになりました。 その代わりにGtkWindowを使うことが勧められています。 しかし、ドキュメントの例(example)には、まだGtkDialogが出ていて、それをGtkWindowに置き換えるexampleはまだのようです。 ただし、良く使われるダイアログが新設されています。
- GtkAlertDialogはユーザに警告などのメッセージを表示するダイアログで、GtkMessageDialogがdeprecatedになったことの代替です
- GtkColorDialogはカラーを選択するためのダイアログで、GtkColorChooserDialogがdeprecatedになったことの代替です
- GtkFileDialogはファイルの選択のためのダイアログで、GtkFileChooserDialogがdeprecatedになったことの代替です
- GtkFontDialogはフォント選択のためのダイアログで、GtkFontChooserDialogがdeprecatedになったことの代替です
これらは、Gioの入力ストリーム(例えばGioDataInputStream)と同じ形式になっていて、その操作がキャンセルされたときにも対応でき、結果をコールバック関数で知ることができるようになっています。 詳しく書き出すととても長くなるので、GTK4のドキュメントを参照してください。
この他にも新しいクラスや関数とdeprecatedになったクラスや関数があります。 私の書いたGtk4-tutorialも今後書き換えが必要になると思っていますが、それはこれからのことになります。 GTK4の新しい機能を使いたい方は、Gtk4-tutorialではなく、GTK4のドキュメントを参照してください。