おもこん

おもこんは「思いつくままにコンピュターの話し」の省略形です

数えずの井戸


ようやく読み終わりました。771ページもあるんだもん。長かった。後半が面白くスリリングになりますが、前半はもたつき気味。前半飽きても我慢しましょう。

 

これは、有名な番町皿屋敷の話です。井戸からお菊さんの幽霊がでて、皿の数を、1枚、2枚、・・・、9枚、と数え、足りない、足りないと嘆く、あの怖い話です。この怪談話は、お岩さんの四谷怪談と並んで最も有名なものではないでしょうか。元々は皿屋敷伝説として、いろいろなバリエーションのあるものだそうです。戯曲としては、岡本綺堂の「番町皿屋敷」(青空文庫にあります)が有名。そして、この「数えずの井戸」は同じ皿屋敷の話ですが、怪談というよりは悲劇として描かれています。そして登場人物のキャラクターがそれぞれはっきりとしていて、話を立体的に浮かび上がらせています。ですから、話の流れは皿屋敷伝説から取ってはいますが、これはこれで一つの小説として独立したものになっています。

 

はじめて京極夏彦さんの作品を読みました。長物が多いそうで、読むのが大変そう。そして怪奇ものが多いそうです。別の作品もいくつか読んでみたいと思いました。