6月30日付けで、大学入試センターが「令和4年度大学入学共通テスト問題評価・分析委員会報告書(本試験)」を発表しました。このウェブサイトのリンクは次のとおりです。
共通テスト直後には「数学が難しかった」というツイートが沢山ありました。平均点の低下にもそれは表れています。(数学IA 57.68=>37.96、数学IIB 59.93=>43.06)。この発表では、(1)高等学校評価(2)関係教育団体からの評価(関係教育団体とは日本数学教育学会です)(3)自己評価の3つの評価がなされました。誰もが「難しすぎた」という評価がなされるだろうと予想したと思います。が、実際はどうだったのでしょうか。
細かいことは上記のリンクをたどって確認していただきたいと思いますが、要するに、全体としては適切な問題が出題された。しかし、時間が足りない受験生もいたと思われるので今後の課題としたい、というように読み取れました。「難しすぎた」という反省は一言もありません。特に高等学校評価(高校学校教科担当教員の評価)は「試験は適切」ということばかりで、これでは試験でショックを受けた受験生の気持ちがほとんど汲み取られていないと思います。まだ関係教育団体からの評価と自己評価の方が(いくぶんですが)「増し」だと思います。
ただ、巻末資料「大学入学共通テスト問題評価・分析委員会 外部評価分科会の外部評価(高等学校教科担当教員の評価)」という、各項目を4(あてはまる)〜1(あてはまらない)で評価する資料の中で、数学Iと数学IAの難易度(問題の難易度は適正である)が「2(あまりあてはまらない)」になっていました。 本文では批判を控えていたが、巻末資料で本音を出したということかもしれません。
もちろん、これは私個人の意見にすぎないので、もし共通テストについて情報発信しようとする方は、上記のリンクをたどって1次資料を確認していただきたいと思います。
ともあれ、来年受験を迎える高校3年生はこの問題程度の難易度を覚悟しておいたほうが良いと思います。 ただ、受験生全員の点数が下がれば、自分の点数が低くても大学合格の確率が下がるわけではないので、悲観しすぎないことも大事だと思います。 受験勉強で一番大事なのは自分のメンタルをしっかり保つことです。