今日午前中はクチの地下トンネルを見学しました。クチは、ホーチミンの北に位置しており、現在はホーチミン市の一部だそうです。そこでは、ベトナム戦争当時、南ベトナム解放戦線のゲリラが地下道を張り巡らし、反米運動を繰り広げたところです。地上からは、入り口が見つけにくく、身体の大きい米兵には中々通れなかった「細い穴」の地下道を200km以上も作って、文字通り地下活動を繰り広げました。見学地では、当時の爆撃の跡、壊された米軍戦車、人々の様子を表した人形、地下の作戦会議室、食堂、厨房などの他、見学者が通ることのできる体験用の穴が設けられています。私も穴を通ってみましたが、かなり細いため、頭や腕を壁に擦ってしまいましたし、中腰でないと歩けません。それでも当時の穴の2倍程度に広げてあるのだそうです。
この写真は、秘密の入り口に係員の人が入って見せたところです。まわりにいるのはアメリカ人の見学者ですが、彼らは大柄なので、このあと実際に入ってみたのですが、入るだけでもかなりきつくてとても中の狭い道を通ることはできません。
この写真は階段になった先に地下道ができています。体験用の地下道もこのように入りやすくなっています。
この写真は、当時米を食べることができなかったゲリラの主食になっていたタピオカです。僕も試食してきました。
午後は、戦争証跡博物館を見学しました。2階までしかなくて、スペースは広くはないのですが、展示してある写真などは大変ショッキングなものです。有名なナパーム弾で焼け出されて、走って逃げる少女の写真、枯葉剤のダイオキシンによって障害をもった人々。ホルマリンに漬けられたダイオキシンでくっついてしまった双子の胎児など、戦争の悲惨さを伝える提示ばかりです。私の見たところ、アメリカ人の見学者が多かったように思います。アメリカ人にとってもベトナム戦争は悲惨な戦争だったし、戦争に反対する人々も沢山いました。しかし、ベトナム側からみれば、侵略された戦争という側面があって、そういう思いが展示の中に表われていたように思います。初めは室内の写真も撮ろうと思ったのですが、あまりに悲惨なものばかりで、止めてしまいました。次の写真は、外にある米軍の戦車を撮ったものです。
明日はメコン川にでかけます。今日とは違ったホーチミンを楽しみたいと思います。