おもこん

おもこんは「思いつくままにコンピュターの話し」の省略形です

パラドックス13


東野圭吾さんの「パラドックス13」を読みました。これもかなりの長編です。前回の「数えずの井戸」が700ページを越える大著でした。この本はそこまでではありませんが、400ページを越えます。これだけ長い小説が出版できるのも、出版技術の向上と経済の発展のおかげでしょう。昔の本(例えば「青空文庫」にある著作権の切れた50年以上前の著作)は、もっと短い作品が多かったと思います。当時は長い作品を出版するとなると、お金の面でも大変だということもあったのではないでしょうか。

パラドックス13--簡単にP13というのは、宇宙からの強力なエネルギーによって、時間軸が歪み、地球上の世界が矛盾(パラドックス)を生じるという現象だ。P13によって、久我誠哉、冬樹兄弟他数名は、変わり果てた地球を経験することになる。彼ら数名以外の人間は煙のように消えてしまっている。大規模な地震により寸断された道路、メチャクチャに衝突し折り重なる自動車の山。果たしてこんな状況で生き残ることができるのか?彼らは他にも生きている人間がいないか探し求め、生き残るためのたたかいを開始する。そして、謎のP13現象とはいったい何か?そしてその謎を解くことが生き残るための鍵となるに違いない。果たして彼らの運命は・・・

ハリウッドの映画にもなりそうなストーリーで、CGを使ったらきっとすごい映画になりそうです。この小説を読むと、文明社会が災害にいかに脆いかということが分かるような気がします。その点でも意味ある小説かも。長い割には比較的早く読み終わりました。結構読み易いと思います。