おもこん

おもこんは「思いつくままにコンピュターの話し」の省略形です

傍聞き

傍聞き

 
まず、読めないですよね。この読み方を調べるところから始めました。「かたえぎき」と読みます。辞書によると、人の話を(意識せずにたまたま)聞いてしまうこと、をいうのだそうです。

この本は短編4つ(迷走、傍聞き、899、迷い箱)からなります。一つひとつ独立した物語で読みやすい長さになっています。どの物語も謎解き中心の、しっかりした構成と伏線の張り方が特長のミステリーです。僕は小説を理系、文系と分けて捉えるのが好きなんですが、この作品は典型的な理系小説です。その組み立てには一分の隙もありません。例えばタイトル。4つともタイトルは謎解きに関係しています。ある場合には決定的なヒントになってもいます。

この本をお勧めできるのは、ミステリーそのものを好きな人でしょう。心で読むというよりは頭で読んで欲しい作品です。